いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】ヘッド・ショット


映画公式サイトより

ザ・レイド」シリーズのイコ・ウワイスが主演したインドネシア発のアクション映画です。今回ウワイスが演じたのは、頭を銃撃(ヘッド・ショット)されて浜辺に流れ着いた謎の男。ピアノマンではないようですが、どうも昔の記憶がない。そんな中でも平穏無事な暮らしをしていた彼ですが、「昔のお友達たち」が黙っていません。彼の大事な人をさらってしまうのでした。

記憶を封印された殺人マシーンが、戦闘を通して次第に元の自分を思い出していくという王道の設定ですが、特撮感があってわくわくします(ちなみに敵のアジトもコンクリ打ちっぱなしで特撮感が満点)。敵役は、自分に殺人術を仕込んだ相手です。これは愛する人を助ける戦いであるとともに、過去の自分を殺す戦いでもあるのです。王道ですが熱いじゃーないですか

ザ・レイド」といえばアクション革命といえるほどの衝撃的な一本ですが、今作の暴力はちょっと質が違います。開幕早々の(文字通りの)撃ち合いのほか、民間人も容赦なくぶち殺される点では、この「ヘッド・ショット」の方が残虐ぶりは上かもしれません。

また「ザ・レイド」のアクションは「加工ほぼなしのガチ」が魅力でした。対する今回はわりと躊躇なく映像の加工技術が使われています。それが残念かというとそうでもなく、むしろ加工することで、「実際にやったら死んどるわ!」という迫力のある表現に成功しています。

惜しむらくはラスボスです。「オーラの泉」の江原啓之に見えてしかたない今回のラスボス。オープニングこそ最高にキャラが立っていますが、時間が進むにつれて徐々に影が薄くなっていくのはちと残念でした。ただそれでも、ラストファイトで主人公とふたりで構えて正対する、まるで格ゲーの「ラウンドワン…ファイっ!」とかかる瞬間のような絵は、アドレナリンがあがらないわけがなく。今回もいいお手前でした。