いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

年始に参考にしたくなった「ありがてえお言葉」たち

ブロガーというのは年が明けると目標だとかなんだと書きたがるものですが、ぼくにはありません。そこで今日は、賢人たちのありがてえありがてえと手をこすり合わせながら拝みたくなるような「ありがてえお言葉」をご紹介します。


「人生に勝敗なんてない」「やったことはすぐ忘れる」
――タモリ

「人生に勝敗なんてないし、どっちがいいとか悪いとか、そんな判定みたいなことなんてどうでもいいんだ。大切なこと、それは引きずらないことだ。乾杯すればそれで仲良し。やったことはすぐ忘れる。それが大事。人間なんて、そんなものだ」
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/01/01/kiji/20161231s00041000243000c.html

昨年解散したSMAPへの言葉なのですが、もうこれは、たとえあなたが日本を代表する超スーパーアイドル5人でなかったとしても「ありがてえ言葉」です。
一時期、ロスジェネ論壇なんかで人生の勝ち組/負け組みたいな安易な議論がありましたが、「勝ち組」だ「負け組」だと規定したがる人にかぎって、自分のその言葉に苦しめられがち。自分を負けと規定して何が嬉しいのでしょうか。毎日愉快で楽しく生きられればそれでいいんです。
「やったことはすぐ忘れる」のも大事。これは「笑っていいとも!」という「偉大なるマンネリ」を積み上げたタモさんならではのお言葉です。毎日根を詰めてやったって、いいものが生まれるわけではありません。ときにそれは32年続けることで初めて万雷の拍手を浴びる成果となりうる可能性だってあるのですから。

「『しらンがな』って心持ちはすごく大事」「なンでもかンでもまともに反応して、自分で自分を追い込まない」
――小池一夫

こちらは、「ありがてえお言葉」製造機と化している漫画原作者小池一夫さんのTwitterから。別に元日に投稿されたものではないですが、元日に流れてきたので、これも何かの縁だということで紹介します。
熊本地震のとき、エキスパンションジョイントが話題になりました。きれいに分離した被災地のマンションの絵が衝撃的でしたが、あれは、あえて外れやすくすることでかえって地震に強くする力がある。

冗談でもなんでもなく、ぼくは「知らンがな」は心のエキスパンションジョイントだと思っています。全部受け止めるのでなく、ときにはあえて「知らンがな」とぷつんと切ることだって必要なんです。「そんなの無責任だろ」とのお叱りもありましょうが、それこそ「しらンがな」。


「やったことはすぐ忘れる」「しらンがな」――これらを併せ持つなんてろくでもない人間ですし、事実ぼくはろくでもない人間です。それは否定しませんが、それでも、ぼく以外の人たちにこれらの要素が足りなさすぎます。
気づいたのは、どちらのことばも「人の限界を見定めている」という点で共通しています。「やったことはすぐ忘れる」は歳月としての許容量、「しらンがな」は担当領域としての許容量の限界です。どちらも人間の可能な範囲を見定めているから、あえてそれ以外は目をつぶれ、と言っているのです。
反対に、これらの要素をまるでもたないのが、一時期Twitterで流行った「真面目系クズ」という類型の人々です。彼ら彼女らは、言われたことを真面目にこなすのですが、自分の限界を超えてすべてを受け止めようとしてしまうから、最後にはバーンアウトしてしまう。
常に限界に挑戦し続けて最後にぶっ壊れる社員と、反省はしないし成果はほどほどだけど必ず仕事は終わらせる社員。あなたはどちらがほしいですか?
一番大切なのは、生き延びることです。ぼくは「やったことはすぐ忘れる」「しらンがな」のふたつで今年も生き延びたいと思います。と、書いていたら知らぬ間に目標ができてしまいましたが、今年もどうぞよろしく。