【映画評】ザ・ワイルド
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2007/03/23
- メディア: DVD
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ホプキンスの役どころは大富豪のチャーリーです。彼にはその富で手に入れたと言える美しいワイフがいますが、彼女にエロっちい視線を向ける篠山紀信的なカメラマンのボブを、ボールドウィンがやっています。チャーリーはボブとワイフの仲を疑っていますが、さらにさらにボブが自分に殺意を抱いているんじゃないかとの疑惑も浮上したからさあ大変。そんな中、ふたりの乗ったセスナが真冬の山中に墜落してしまう。映画は、ふたり(途中までは3人)のサバイバルと不倫疑惑の真相を並行して描く構造となっています。
ただ、どうもホプキンスがミスキャストに思えてきてしまう。映画は、大富豪のおっさんが自然の中で死をも覚悟するような体験を通し、あたかも何か成長したかのように言いたげです。しかし、それをホプキンスがやるには無理があると思うのです。ボールドウィンは油断してやられるみたいな姿がよく似合いますが、ホプキンスの風貌は思慮深すぎますし、現に彼は映画の冒頭から自然を侮っているわけでもない。だから、結局この映画は何がいいたいのかわかりづらくなってしまっています。
しかし、それにしても、ヒグマとの駆け引き、そして決闘は眼を見張るものがあります。「レヴェナント」でもディカプリオと熊の息を呑むような死闘がありましたが、本作は97年制作だからどう考えてもあんなリアルなCGの熊はありえず、とうぜん実物なのです。
で、ホプキンスとのツーショットもあり(つまりスタントではない)どうなっているのだろうと思ったら、この熊、アメリカでは有名な動物俳優、コディアックヒグマのバートさんだそうです。
http://www.setcelebs.com/bio/bart-the-bear.html
デカすぎるYO!
「沈黙」シリーズでスティーヴン・セガールとも共演したとのことですが、2000年、この映画出演から3年後に天珠を全うしたそうです。合掌。