いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

小売店の「サイレント損」について


きょうは、ぼくが体験した小売店の「サイレント損(ゾン)」について書きたいと思います。
予め断っておきますと、ぼくは別に小売店の経営なんて何にも知りません。もしかしたら「おまえのいってるソレ、◯◯◯っていうんだぞ」という適切な言葉がありましたら、コメント欄などで遠慮することなくお知らせください。
たぶんこの話の結論は「大変だけど、教える側が頑張るしかないよね」にしかならないと思うのですが、「大変だけど、頑張るしかないよね」ってことだって書いておいて間違えではないと思いますので、書きます。

きょう、とあるステーキ店に入ったのですよ。ステーキといえど価格帯は800円台から高くても2000円台までです。ぼくは初めてだったので、とりあえずレギュラーのメニューを選んだ。その店のレギュラーはステーキ100gのシングルが860円、200gのダブルが1330円です。お腹が減っていたのでいけるかなと思い、ぼくはダブルを頼もうと思いました。

ところが嫌な予感がした。ぼくの注文をとった女性店員が外国人で、なおかつ経験が浅そうだった。「レギュラーのダブルをください」といったものの、どうも要領を得ない。は? みたいな反応をされて、いやいやお前のところのメニューやがなと思いながら、「レギュラーでダブル」であると年を押しました。

ステーキはあっというまに来ました。そのスピードはすごかったです。ただし、案の定、どおおおおおおおおおお見ても、200gには思えないのですね。少なすぎるのです。納得はいきませんでしたが、そのまま食べ始めました。そして、食べ終えて会計に言ったらやっぱり、860円だったのですね。

ほらみたことかと思ったのですが、そこでふと気づいたのです。別にいいじゃんと。実際のところ、ぼくは100gのシングルサイズを食べてちょうどいい満腹感だったのです。おそらくダブルだったら苦しいぐらいだったでしょう。だから、間違えて860円のシングルのオーダーが通ったのは結果オーライといえるでしょう。いまさら200gだったのが100gだったぞとはいえず、そのまま860円を払って店を出ました。

ところが、店側からすればそうもいえない。当初、ぼくと店側では200g=1330円で取引が成立していたのです。それが860円になったのは、(おそらく)新人さんの聞き取りミスによるものです。店側としてはここで「損」をしている。けれど、その損はおそらく記録に残らない損=サイレント損なのです。


いま書いていて、もう一つある出来事を思い出しました。

職場の最寄りにあるよくいくコンビニでの話です。ぼくはそこでよくチョコを買うのですが、その日はどちらかというと塩分がほしかったため、フックにかかった森永「おっとっと」の小袋サイズが5つ連なっているやつを手に取り、レジに持って行きました。

森永 おっとっと<うすしお味> 52g×10個

森永 おっとっと<うすしお味> 52g×10個

応対してくれたのはこれまた海外からやって来たとみられる純朴そうなカタコトの青年です。

150〜160円ぐらいの商品ですよ。ところがレジで750円と表示されたのです。いくらなんでも高えぞと。おそらくですが、5袋で150円なのをその青年がさらに✕5してしまったとみられます。

ここで男気を出して750円払うかという考えも一瞬よぎりましたが、さすがに払えんと思いましたし、またここで払ったら締めのときに売上が合わずに責任者が困るだろうなと思い、断念。

正直に間違いを正せばいい。でも、青年はまっすぐな目をして不思議そうなめでこっちをみている。そこから「あなたは間違っていて、これは5袋で150円だよ」と説明すると、こちらが騙そうと思っているととられかねない。

なんかもういろいろ頭をよぎって心が折れてしまい「あ、やっぱこれはやめます」と一声かけて、もとのフックに戻してきてしまいました。


これも、青年本人とぼく以外は誰も知らない「サイレント損」だと思うのですよ。たしかに150円なんて微々たるものです。でもあの様子だとぼく以外にも「サイレント損」を積み上げられていると思われます。


ただし、だからといってどうすればいいのかというと、冒頭で書いたように「大変だけど、教える側が頑張って教えるしかないよね」としか言い様がない。「サイレント損」はそれ自体を実態として把握できません。それなので、「サイレント損」の発生要因である新人を教育し、成熟させていくことでしか、防げないでしょう。