いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】アナコンダ

アナコンダ<Hi-Bit Edition> [DVD]

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少数民族の映画を撮るために南米アマゾンを訪れた撮影クルーが、大蛇に襲われるモンスターパニック映画である。97年公開で、その年のゴールデンラズベリー賞に輝いた(?)ことでも有名な一作だ。

ぼくは当時小学6年生だったが、父親が借りてきたVHSで本作品を見た。作品自体にはとりたてて記憶に残らなかったが、かの賞を獲ったことだし「たぶん、酷い映画だったのだろうなぁ」ということにしていた。

ところが今回見なおしてみると、そうした感想が記憶を改竄されたものだったことがわかる。というのも、たいして酷くないのだ。いや、別に名作なわけでもない。ただ、それほどボコボコに言われてしまうほどの出来にも思えないのだ。

たとえば、この映画で最も重要な役割を占めるアナコンダはおそらく大部分がCGで描かれる。この時代のCGというと、「もしかして初代プレステみたいだったらどうしよ…」との恐れが湧いてくるが、蓋を開けてみれば一部「うわあ、ここのCGはプレステ並じゃねーか」となる部分もあるものの、基本的には鑑賞に耐えられるシロモノだ。

ストーリーもありきたりといえばありきたりであるが、それでも「目を覆いたくなる」域ではない。クライマックスにおける主人公らと少数民族の感動の対面なんて、どこで感動せいっちゅーねんとのツッコミようがあるが、それを鑑みても、全体としてそこまで叩かれるほどのものでもないのだ。

では、なぜにラズベリー賞を獲ることになったのか。ぼくが推測するに、それは「サイテー映画賞」を獲るのにも、「格」が必要ということなのではないか。クソすぎる映画があったとしても、それがある程度注目を浴びていなければ、叩きがいがないではないか。

で、この映画を皮肉にもその「ぶっ叩かれるにたるほどの格」にまで押し上げたのが、ヒロインのジェニファー・ロペスだと思うのだ。

ところが、今回見なおしてもっともがっかりしたのも、実は彼女なのだ。端的に言って、彼女が全然かわいくないし、セクシーでもないのだ。97年といえば、彼女の全盛期と被っている。なのに、全然グッと来るものがない。何よりも、眉毛がなさすぎるのだ。怖いよ!

ロペスといえば、性の目覚めが始まったばかりの小学校高学のぼくの憧れの存在の一人だった。今回見なおしたことで、「ジェニファー・ロペス可愛い」というこれまでぼくが十数年保持してきたイメージを捨て去らなければならなくなった。今回はそんなほろ苦い鑑賞体験になったのだ。