いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】ウィッカーマン

ニコラス・ケイジ主演のミステリー。ある個人崇拝を共有する人々が住まう奇妙な孤島を舞台に、ケイジが演じる刑事が失踪したある少女の行方を追う。1976年公開の同名作品のリメイクだそう。

とりたてて見所がありそうにもなく、俺たちのケイジが出ているということのみで借りてきたのだが、これがまあその低い期待のさらに下をスライディングでくぐり抜けてったという唖然とするできだった。

不気味だろ?謎めいているだろ? という雰囲気はかもすのだが、さして怖くなければ、どこか惹きつけられるような展開があるわけでもない。こんな低調な映画に出ていいのかケイジよ。。。

オチがまた素晴らしくくだらなくて、もはや全くネタバレすることが惜しくないので書いてしまうと、失踪した少女は村の豊作を祈願して生贄にささげられたと思いきや、実は生贄は主人公のほうで、島に呼ばれてからそれまでの展開はすべての罠だった、というのである。
そんなことのために何年もかけてここまで手の込んだことをするのかというのもあるし、なによりその直後にナイトクラブでバカっぽい若い男たちを生贄にするため、村の女たちが誘惑するというシーンで映画が終わるのである。生贄が誰でもいいならば最初からそうすりゃよかったじゃん! オチについて、自ら破綻を露呈させて幕を引く映画もなかなかないだろう。


この映画で唯一の見るべきところ(爆笑できるところ)は、両足を砕かれたケイジが木製の巨大な人形(ウィッカーマン)の頭部に閉じ込められ、火あぶりになって死ぬラストシーンだが、コメンタリーによると、じつは別の結末も用意されていたらしい。それを見ると、これまたバラエティー番組の罰ゲームに毛の生えた地味さで、身の毛がよだつほど酷いのだ。
こちらを選ばなかったという判断のみがこの映画での制作サイドの正解だったと思われるが、ここまで全体的に酷いなら、クライマックスもその酷さを押し通してほしかったところである。