いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】ジャッジ 裁かれる判事

ロバート・ダウニーJr、ロバート・デュヴァル共演による法廷劇。
腕は立つがその手法はグレーという弁護士ハンク(ダウニーJr)は、突然の母親の死の知らせを受け、勘当同然で出てきて以来離れていたインディアナ州にある故郷の小さな町に舞い戻る。そこには、かつてと同様に町の判事として厳格な裁きを下し続ける父親ジョゼフ(デュヴァル)の姿があった。
母親の死を前にしてもかつての遺恨が解けない2人だったが、思いもよらぬ事件が起こる。ジョゼフに、車で男を轢き殺したという嫌疑がかけられたのだ……。


のっけから「トニー・スタークが帰ってきた!」と言わんばかりのふてぶてしいダウニーJrに会える一作。何十年ぶりにもなる帰郷なのに、家族はどうもビミョーな反応。とくに父親との仲は最悪で、どうして同じ法曹界で働いているのかが不思議になってくるが、魅力的なキャラクターとなっている。もちろんそうした不可解な点も、父親との仲が最悪になった理由も、ストーリーが進むにつれて明かされていく。


見る前に予想していた「無罪が下された父親が、見事な弁護をみせた息子を見直し仲直り!」といったお気軽な映画でないことは、言っておいても損はないだろう。事件は2人の家族そのものに深く根ざした過去に由来し、映画は神の代行者として人が人を裁くということ、人が人によって裁かれることの難しさを問いかけている。


とまあここまでは半分ぐらい建前で、ぼくの本音はベラ・ファーミガみたさというところも少なからずあり。


今回の彼女の役どころは、否かのバーを1人で切り盛りする女店主。相変わらずお美しい。
高校時代のハンクの元カノで、今もシングルのままで既婚者のハンクにも遊びでの関係をふっかけてくる。劇中で明かされるある事実なども含め、なんという都合のいい女! と思ってしまうが、彼女には彼女なりの信念があってそれにハンクは動かされる。
あと、一応敵役になるのが『バーバー』などで知られるビリー・ボブ・ソーントンだが、こちらも渋い存在感を出している。

主人公がある罪から解放され、家族との遺恨が解けて行くとき、映画には清々しい後味が待っている。