いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

『それが大事』の元・大事MAN立川俊之が放った24年ぶりの“返歌”

元・大事MANブラザーズバンド立川俊之が出演した29日のテレ朝「しくじり先生」が、“神回”だったとネットで話題になっている。


どれが大事か見失った大事MAN、元ボーカルの立川俊之が語る“大事な事”。 | Narinari.com


最近はテレビ番組をちゃんと見ることがなくなり、この番組もたまたま目にしただけなので最初は趣旨も知らなかった。
要はゲスト講師が反面教師となり、レギュラー陣に教訓を語るという枠組みなのだが、ぼくが見たのがその立川俊之の回だった。言うまでもなく彼のバンドは、約160万枚という大ヒットを記録した楽曲『それが大事』を生み出し、それを最後に消えていってしまった。


「たぶん『それが大事』の一発屋エピソードを語るんだろうな」と漠然と予想して見始めたのだけれど、いつのまにかグイグイ引き込まれ、ゲラゲラ笑ってしまった。
まず、喋りがめちゃくちゃ上手い。軽快でいて無駄がなく、言葉は怖いぐらい本質を貫く。もちろん大まかな段取りは用意されているのだろうけれど、用意されているからって誰でもできるわけじゃないだろう。全然知らない人だったから、「あっ、こんなに話芸に長けた人だったんだ」と正直驚いた。
それから、その笑ってしまうくらいの開き直り具合。あけすけに、自分の一発屋ぶりを語っていく。そこには、見栄もプライドも見いだせない。『それが大事』という大ヒット曲があるからこその苦悩から、完全に抜け出し、清々しいほど吹っ切れている。


そして最後、恐らく『それが大事』という楽曲のポテンシャルを引き出し、笑いに次ぐ笑いを生みだすことにおいて、彼の右に出るものはいないだろう。



そんなことをパッと本人に言われて、笑わない方が難しい。


立川はその後も「歌で伝えたいことが無い」などミュージシャンらしからぬ発言を連発したが、最後は「自分のしくじりから学んだ一番言いたかったこと」として「自分にとって何が一番大事か考えていく、そのこと自体が大事」と締めくくった。


元・大事MANブラザーズバンドの立川俊之が音楽業界事情に毒舌を連発 - ライブドアニュース


本人は「歌で伝えたいことがない」としてカバーソングを歌う現在を明かし、それも爆笑を誘っていたけれど、この回の放送自体が、彼の言葉が、24年のときを経た『それが大事』へのいわば「返歌」になっているような気がする。
CDのミリオンヒットのように数字には残らないけれど、立川が番組で残したインパクトは、たしかに“神回”と呼ぶにふさわしいものだった。