いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【緊急提言】「童貞くずれ」という言葉を作りたい!


会話において頻繁に登場する状況なのに、それをドンピシャに表現する言葉がない! というもどかしい気持ちが募ったことはないだろうか。
言葉が存在しないがゆえにその状況はクローズアップされず、その状況内にいる人とそうでない人の境目は曖昧になり、そのもどかしさは放置されていくことになる。


今日ここで、ある状況についてのそうしたもどかしさに終止符を打つ、ある新語を作りたいと思っている。


その言葉とは、「童貞くずれ」である。全くの童貞ではないが、一方で非童貞でもない――そんな中途半端な人を指す言葉である。
まずは、童貞に関する呼び名をまとめた以下の表をみてもらいたい。


表にするとよくわかるが、「童貞」の指す定義は非常に広く、複数のクラスターによる寄り合い所帯の様相を呈している。


このことが、現に実害になっている。
というのも、性の話題について話すときしばしば「ペッティングのみ経験済み」という人に出くわすのだ。
具体例としては、お店でそういうサービスを受けただとか、行きずりのエロいお姉さんにパックンチョされただとか、あるいは本命の彼女との念願の初体験が上手くいかずそれっきり……などといった体験をした人たちだ。
長らく表の一番下に沈んでいた筆者としては、この「ペッティングのみ経験済み」という層が目の上のたんこぶなのだった。


この「ペッティングのみ経験済み」層にいる輩の言動は、しばしば納得しがたいものがある。
本番は未経験のくせに、「その一歩手前」までしたということで、情交の一から十までを熟知した「非童貞づら」をしてくるのだ。
かといって、「俺まだ童貞だし」とこちらに擦り寄ってくるような言動も許しがたい。俺、行きずりのエロいお姉さんに会ったことねぇし! という気持ちになってしまう。
結局どちらにいっても反感を買うのである。


現状を描き直すと、こういうことになるだろう。

ここまで見てきたように、「童貞」というくくりの中でもペッティング経験済みかそうでないかで話が全然ちがってくる。そして、そのペッティング済みの中も、本番までの距離でグラデーションを成していることがわかるだろう。


いま流通する日本語には、童貞/非童貞・素人童貞という区分しかない。このことから、いかに日本語が本番中心主義(ホンバンセントリズム)に陥っているかがわかるだろう。どんなに舐めまわしてもどんなに舐めまわされても、本番さえしなければまだ童貞でい続けられると思ってやがる。

だが、はたしてそんな堕落した童貞を、童貞として認めていいのだろうか?
ここで出てくる言葉こそが「童貞くずれ」なのである。


この言葉があることで、本当になんのイベントも経験していない「ノータッチ」層と、あとは入れるだけという「ペッティング」層が区別できることになる。我ながら、素晴らしいアイデアではないか。

もちろん「くずれ」という語には、「崇高なる童貞というポジションを安易に、しかも中途半端に捨てやがった」というちょっとしたdisも入っていることは、いうまでもない。

だが、言葉が流通していくうちにだんだんカジュアルになっていけば「あんたもう“くずれ”てっからw」や「おれは“くずれ”なき童貞だ」といった言い回しも生まれてくるだろう。
「童貞くずれ」、ぜひ積極的に使っていってもらいたい。


日本の童貞 (文春新書)

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D.T.

D.T.