いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】神さまの言うとおり

www.youtube.com


福士蒼汰主演、神木隆之介ら共演による三池崇史監督作。退屈な日常に飽き飽きしていたはずなのに、ある日突然、命がけのゲームへ強制参加させられる高校生たちの姿を描く。


ネット上の評価をみると、だいぶ割れているようだ。おそらく好悪を決めるのは、このノリを受け入れられるかどうかだと思う。劇中で繰り広げられるのは、「だるまさんがころんだ」や「かごめかごめ」、「缶けり」などといった子どものするようなのん気なゲームなのだが、それに命がかけられ、敗者は無残な死に方をしていく。ほんとふざけている。ふざけているのに、未来明るい青少年が理不尽にもつぎつぎ殺されていくのだ。
ぼくはいうと、結構好きである。原作は未読なのだけれど、こののん気でギャグっぽいノリと、その残酷な結果とのギャップは、三池さんにピッタリな題材だと感じだ。

あと、この映画が気に入らないという人は、広げに広げたおした風呂敷を結局最後まで回収していない、いや、回収する気なんてさらさらない、というふてぶてしい態度に対するものも、あるんじゃないだろうか。
けれど、これについては染谷将太くんが冒頭で、「どうしてこんな目に?」というのはとりあえず置いておいて、ルールを把握し、どうすれば攻略できるか考えようぜ、みたいなことを言ってくれている。
まさに我々の人生自体がそういうもんではないか。
トーナメント方式でどんどんプレイヤーが減っていき、最終的に、命について全く正反対の思想をもち、全くちがうプロセスをたどった2人が生き残ったというのも面白い。われらが神木きゅんが、「バトロワ」でいう安藤政信みたいな好戦的なマッド野郎を演じているのも見物である。


いくらなんでも主人公補正が強すぎだろとか、最初が一番勢いがあって徐々に落ち着いていっちゃってるぞとか、最後に出てくる例のあの人が作り手側が意図した人物というより明らかに「尊師」にしか見えないぞとか、言いたいことがなくはないが、おおむね良好のふざけた良作だ。