いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座、直毛によるブログ。今ここに、ポスト宮根誠司を目指すことを誓います。

【映画評】クロッシング 60点

リチャード・ギアイーサン・ホークドン・チードルの3人が演じる警官の視点を、同時並行的に紡いでいくサスペンス。
ブルックリンの犯罪多発地域で任務にあたる3人で、境遇がまったく異なるがこいつらが全員、かなりワケあり。
1人はギャングに潜入する捜査官なのだが、ギャングの親玉に情が移って上司に歯向かうこともある。もう1人は定年間際のおっさんで、仕事にやる気がないどころか生きる気力もなく、自殺を考えている。そして最後の一人が、事情はあるにせよ強盗殺人に手を染めていて、ワケありすぎてもはや極悪の部類だ。原題のBrooklyn's Finestは「ブルックリンの警官たち」という意味で、そのまんま。


劇中、3人はほとんど共演しない。あるシーンでそのうちの2人が二三度口をきくぐらいで、邦題どおりに交錯するのはクライマックスなのだが、うーん。。。
終盤までほとんどストーリー上の絡みはなく、そこから3本の線が合流し、俯瞰してみると予想だにしなかった絵をなす……とかそういう話でもない。ただ単に交錯しただけで、そのあっけない終わり方にはポカンとしてしまう。


結果的に2人が死に、1人が生き残ったところに何か教訓めいたものがありそうなのだが、ラストカットでの彼の「あぁ……なんて怖い目にあったんだ……」とでも言いたげな表情からは、この経験から彼がなにかを学んだようにも思えない。
強いて言えば他の2人に比べれば人としてマシな行いをし、すこしは賞賛されるだろうが、女にもフラれた彼には他に何も残っていない。その身も蓋もなさというか、教訓のなさ、救いのなさ、それらがかえって「何もない」という後味になっているといえる。