いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】ゲッタウェイ スーパースネーク 60点


突然だが、みなさんが町中を歩いている際、すれ違う人に突然思いっきりぶん殴られたとしよう。あなたは怒ったり驚いたりすると思うが、すかさず物陰から「ドッキリカメラ」と書かれたプラカードを持ったリポーターとカメラをかついだスタッフが出てきて「種明かし」をするのである。
あなたはそれで「あー、なんだドッキリか。ホッとした」となるだろうか?

きょう紹介する『ゲッタウェイ スーパースネーク』は、そのプロセスはどうであれ、結果的にはそんな、ふざけた映画だ。
引退した元レーサーのマグナが、クリスマスシーズンのブルガリアで最愛の妻を誘拐された。犯人と思われる謎の男からの電話で指示を受け、スーパーカーを盗難。妻を人質にとられ、完全な監視下におかれたマグナは、指示される暴走を次々とこなしていくことに……。イーサン・ホーク、セレーナ・ゴメス共演によるカーアクション。

カーアクションに始まり、カーアクションに終わる一作。確かにド派手ですごいのだけれど、それ以外は潔いくらいまでにおまけだ。
ブルガリア一の大都市ソフィアを舞台に、シェルビー・マスタングGT500スーパースネークが疾走する。邦題サブタイトルにその名があることからわかるように、この車へのフェティッシュな愛着が詰まっている、ように思える。あいにく車に疎いぼくはその愛着はよく味わえなかったが、スーパーカーファン及びシェルビーファンにはたまらないのかもしれない。


犯人側の狙いはいったい何なのか。そして、なぜマグナが選ばれたのかは次第に明らかになっていく。
が、明らかになっていけばいくほど、できすぎじゃね? という疑問もわく。まず、マグナが、いくら最愛の妻を人質にとられたからといって、大都市であれほどの大立ち回りをする覚悟があるかというと、かなり大きな賭けなわけで。その後にセレーナ・ゴメスが犯人側の企みで暴走車に同乗することになるが、彼女にしたって犯人側が意図したように動くのにはいくつかの偶然が必要だ。
また、マグナの車を包囲しながらも、安々と脱出をキメられるソフィア警察の無能っぷりも光っている。


ここで、冒頭の話に戻ってくる。オチでもう一捻りくわえられ、その捻りで「?」となるのだが、ようは、ツンがめちゃくちゃハードコアになった「ツンデレ」と考えてよいのだろうか? まぁ、深く考えたくもないほどにどうでもよく、また、それまでのカーチェイスを堪能できたからいいかな、とも思えてくる。