いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

「夏休み」に遊ばれないために

近頃の大学生は「夏休み」に遊ばれるらしい。それは、海水浴で知り合った悪い男に騙されるとか、そういうたぐいの話ではない。文字通り、「夏休み」にもてあそばれるのだ。

この問題はソーシャルメディアの普及に関係している。夏休みの最中、暇を持て余しているとついスマホTwitterFacebookなんかを開けてしまう。すると、タイムライン上に知り合いの充実したリアルの報告が流れてくるのである。
やれ河原でBBQしただの、やれ男女10人のサークル合宿しただの、やれキャンプで蚊に刺されたけど楽しかったーだの、花火きれいだったーだの、フェスに行ってうぇーいwwwwwwだの。とかく、夏休みはイベント事が多い。

暇勢(暇な人の意)ほどソーシャルメディアの更新がはかどるのが世の常だが、彼らが何回投稿したって、どれだけ面白い投稿をしたって、どれだけ斜に構えて世の中を切ったって、夏のイベントが流れてきたときに募る敗北感。合宿所の前での集合写真一枚にも勝てないのだ。


充実した夏休み報告をいくつも浴びるうちに、次第に何もしていない側の自分が間違えているような気がする。何もしていない自分が敗者のような気になってくるのだ。そして湧いてくる、「何かをして日々を充実させなければ……!!」という強迫観念。これは恋人がいるかどうかと、そこまで相関はしない。夏休み"なのに"真っ白なスケジュール帳のページが、強迫的に迫ってくるのだそうだ。

すると、何か物足りない、何か自分の夏休みが「不正解」のような気がしてくる。そうやって、モヤモヤモヤモヤして時間を過ごしたり、あてどもなく近くのショッピングモールをさまよったりする。はい、この時点でもうひっかかっています。あなたはもう夏休みだから遊んでいるのではない。夏休みに弄ばれているのだ。


けれど、本当はそうやって、自分の夏休みを見失うことこそ負けなのだ。
「休み」なのだから休めばいいのである。読者の中には、「そんなもの気にするなバカ」の12文字ですむ案件じゃないかという向きもあるかもしれないが、遊ばれている大学生が意外に多いようなので、ここで対策を記しておこう。
「夏休み」の手のひらの上で弄ばれないための方法だが、手段はネット断ち、1人でも充実した経験をする――これしかない。具体的には2通りある。


精神的なネット断ち
一心不乱に何かに没頭すれば、ソーシャル上を流れてくるクソどおおおおおおおでもいい報告など、笑って流せる。
ここで何に打ち込むかだが、個人的にオススメしたい挑戦は「夏休みの期間に一度も風呂に入らなかったらどうなるか」である。住む地方にもよるが、これはすごいことが起きそうだ。その経過をブログなどで報告するのもいい。おそらくこの季節、2週間もたてばあまりの異臭に他の人が何をやっているかなんて気にならなくなるはずだ。
一度、「生まれて今までで最高に臭い自分」に会ってみないかい?



物理的なネット断ち
もう一つは、ネットを物理的に断つ方法だ。スマホを置いて、青春18きっぷで旅に出ればいい。TwitterFacebookには「さがさないでください」とでも一筆残しておこう。
ソーシャルに残ることで価値が出るなんて言うのは大間違いで、この身で体験し、この身にしか残らないものにだって、いや、残らないからこそ価値があるものだってあるのだ。



気づいた人はいるかもしれないが、卒業して勤め人になったらできないことである。それに対して、ソーシャルに報告があがってくるリア充イベントは、たいてい社会人になってもできるものばかりだ。


ということで、今日は哀愁ただよう青春18きっぷ風ポスターで締めたい。

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