いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

15歳、アルマの恋愛妄想



北欧ノルウェーの渓谷にある小さな町を舞台に、性欲をもてあますちょっとおませな15歳の少女アルマとその妄想が繰り広げるドタバタ劇。風光明媚の山々×少女のオナニーという組み合わせが、なんともそそられる。都市部に住んでいようが山村部に住んでいようが、性欲がギンギンな少女はどこでだってギンギンなのだ。意中の男子アルテュールとの逢瀬を妄想し、今日も虚しくアルマの右手は股間をまさぐる。

いつのまにか画面が妄想パートに入っている点では『アメリ』を思い起こすが、マグロでつっぷすアメリと異なり、今作のアルマの性欲はもっとワイルドだ。芯の強そうな目をしているが、その反面でおっとりもっさりしている外見は、それだけ有り余るリビドーを溜め込んでいるのだろうなという気がして、かえってリアル。

ストーリーは、ダンスパーティでアルトゥールとの間に起きた事件で大きく展開する。箱の裏で彼がアルマの腰をチンコでついてきたのである! ごちそうさまですと言わんばかりにアルマはトイレの個室で早速おかずにし、友達にも言いふらす(何でそんなクリティカルなことを他の人に話すんだというきがしないでもないが)。
同級生らは妄想乙と意に返さず、彼女は学校で村八分にされ、アルトュールも彼女から離れていく。ひとりぼっちになったアルマだが、その先に待っていたのはいい話っぽいそんなによくない話なのか、そんなによくない話っぽいいい話なのか、そこらへんは微妙なとこ。


期待したよりは薄味で、結局は北欧の雰囲気と少女のオナニーをおしゃれに消費しているだけでは、という気がしないでもない。邦訳についても誰がつけたのかわからないがボキャブラリーが貧困である。ここは「恋愛妄想」なんてセンスのない造語にせずとも、日本語には「白昼夢」とか「淫夢」という的確ですばらしい語彙があるのだ。