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【映画評】ゴーン・ベイビー・ゴーン ★★★★☆

ゴーン・ベイビー・ゴーン [Blu-ray]

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俳優のベン・アフレックが弟のケイシー・アフレックを主演に迎えて撮った監督第1作。この次に撮ることになる『ザ・タウン』と同じく地元・ボストンを舞台に、失踪した幼女の行方を追う探偵の姿を描いている。


主演のケイシーは、お兄さんとは反対にそのにじみ出る脇役臭がすごいのだが、芯の強そうな探偵役がよかった。ちなみにこのあと『ペントハウス』にて韓国人の富豪夫人を中国人と間違える出来の悪いコンシェルジュを演じている。そのほかに、いつも通りのモーガン・フリーマンに、一瞬誰かわからなかったエド・ハリスなど、名優が脇を固め、安心して観ていられる。

幼女の行方を追ううちに主人公は、この事件が単なる失踪事件でも、誘拐事件でもないことがわかってくる。背後にあったのは大人たちの「狂気に等しい優しさ」である。ここから先は鑑賞の興をそぐため、書かない。


監督の地元を舞台にしたこの『ゴーン・ベイビー・ゴーン』と『ザ・タウン』の2作には、作品のジャンルこそすこし異なっているが、共通するところがある。それは「人の生まれ」についての考察であるということだ。
観終わってみると、この映画は一貫して二つの命題の対比になっていることがわかる。命題の一つは「子どもは親を選べない(のか?)」であり、もう一つは「どんな親でも親は親」だ。観直してみると、ストーリーの深層ではこの二つの命題の対立が伏流していることがよくわかる。
そして、この映画で描かれる「親」とは、おそらくサイテー最悪の部類のクズである。そんな親でも、子供を親からとりあげてはならないのか?


子どもを被害者になるショッキングな幕開けから、もんもんと考えさせられるラストへとつながっていく。映画は安易な答えを出さずに幕を閉じるが、親の虐待が散々ニュースになる日本でも、それは他人ごとではすまされないだろう。


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