いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

就職難で自殺する前に俺の話を聞け!

ここ数日、大学生の自殺が話題になっている。
【悲報】就職失敗で自殺した大学生、初の年間1000人突破 : オレ的ゲーム速報@刃

このニュースのつい数日前にも、現在は削除されているが大学生を名乗る人物が自殺をほのめかす匿名エントリーを書いて話題になっていた。


それで、今回以前読んだ『自殺予防学』という本をひっぱり出してきてもう一度読んでみた。
この本で再三再四主張されているのは、日本における自殺はその8割以上がなんらかの精神疾患を抱えていたという統計的事実だ。この点を、特に「自殺する自由」として自殺容認論を声高に主張する人は留意しておくべきだろう。これは、既遂未遂を問わず、自殺にいたった人はその当時自分の行動に責任をとれるような正常な判断力がなかった可能性もあるということだからだ。
ところで、そのなかに自殺のプロセスをわかりやすく図解されていた。転載する。

この図は、自殺する後押しする直接的な原因(近因)となるできごとはあるものの、そのような精神状態におちいるまでにはその以前に複数の遠因(図では「失業」「多重債務」「病気」「死別」などが例示されている)が絡み合っている、ということを示している。

これは一般的な図であるが、これを大学生版に書き換えてみたらどうなるだろう。

これはあくまでも推測だが、誇張でも何でもなく、今の大学生の悩みのトップは、おそらく就職に対する不安だ。
ぼくはたまたま近くにいるのでわかるが、今の大学生は入学してきたころから就活のことで頭いっぱいだ。「もし就職できなければ…」というプレッシャーを抱えている。中には、一年の頃から履歴書の空白が生まれないようにサークルや学生団体に精を出している人だっている。


結局もって、ここには未だに新卒一括採用というレールだけがあたかも正規のルートで、他の道は存在しない、あるいはそれ以外の道では生きてはいけないという幻想が蔓延していることに問題がある。たとえそれが幻想であろうと、強く信じる人にとってそれは“実在”してしまう。


新卒一括採用の問題は、一朝一夕で解決できる問題じゃないだろう。なぜならそれは構造的な問題で、社会の仕組みのどこか一か所をいじれば万事okな代物じゃないからだ。就活ぶっこわせデモに違和感を感じたのもここで、「就活」を局所的にイジくることで事態が改善するということに、どうしてもリアリティを抱けないかった。

先にあげたように新卒のレールに乗れないとヤバいという幻想だけは生きながらえている。この幻想を封じるには、ただ一点、人様に迷惑をかけないかぎりどんな生き方だっていいんだよということを、アナウンスしていくしかすべはない。

言っておくけど、ここでノマドワーカー(であることをアピールし他人がそうなることを推奨する人たち)なんて全然あてにならない。やれ働き方の多様性だのセルフブランディングだのスタバだの、甘い言葉をささやくけど、ふたを開けてみたら彼らだって「秀英社を退社後フリーに」だとか「毎朝新聞を退社後フリーに」みたいに、結局は大企業出身の人材なのだ。メディアが馬鹿みたいに彼らを持ち上げれば持ち上げる程、かえって生き方の多様性とは正反対の、大企業主義が強化されてしまうというお笑い沙汰がここにはある。「誰でも起業できる」といって、1億2千万人が起業したらいったいどうすんだ。結局それも優等生の絵空事にすぎない。

そういうのじゃないだろ。メディアが本当にとりあげるべきは、普通の人が普通に頑張って、たとえそれでダメだったとしてもダメなりに生きていけるよということではないのか?未だに、フリーターでやっていこうとすると「若いときはいいけど年取ったときにどうするの?という問いが返ってくる。しかし死んでしまったらどうしようもないのである。


あ、言い忘れましたけど、ぼくはニートですが元気に生きてますよ?