いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

ダニエル・クレイグのドラゴンが拝める6日間

劇中とつぜん画面を覆うモザイクが大不評を買い話題の『ドラゴン・タトゥーの女』である。
僕も観たが、なにせ40年前に起きた少女の失踪事件で容疑者全員がジジババというスクリーンに映る者の平均年齢の異常な高さからくる地味さと、僕自身がまだ原作を読んでないという予習不足と、さらにドラゴンタトゥーが事件と(少なくともこの第一作では)全然関係ねぇ!ということで、そこまで楽しめなかったのであるが、それにしても度胆を抜かれたのはあのモザイクであった。

ぼかしならまだわかる。しかし、シネコンのデッカいスクリーンに、ひとマス(この数え方が正しいかはわからん)が推定で我々の顔台の大きさを優に超えるモザイクがちかちかするのだから、初見で驚かない方がおかしいのである。
アメリカ在住の映画評論家の町山智浩氏のツイートによれば、当然といえば当然だが本国アメリカではモザイクなんて初めからないのである。


それに輪をかけてこんなニュースを知り爆笑してしまった。

鬼才・デヴィッド・フィンチャー監督最新作『ドラゴン・タトゥーの女』の無修正R18+バージョンが、6日間限定&1館のみで公開されることが決まった。

(中略)

 そんな中、鑑賞後の観客より同シーンの「ぼかし」について意見が寄せられ、ファンの声に応える形で無修正R18+版の上映が決定。上映館はTOHOシネマズ 六本木ヒルズのみで、3月10日から15日の6日間限定で公開される。本映画の本質に迫りたい人には貴重なスクリーン上映の機会となりそうだ。(編集部・小松芙未)


無修正R18+バージョンを緊急公開!全裸シーン含めた『ドラゴン・タトゥーの女』6日間限定1館のみ! - シネマトゥデイ


「6日間限定&1館のみ」という妙な箔がついて、余計ありがたみが出てきてるが、ちがうんだよ。そういうことじゃねーんだよ。
あれが観客に不評なのは、約2時間の「普通の映画体験」を無粋なモザイクの介入によって壊されたからであって、あのモザイクの“向こう”を見せてもらえなかったからじゃねーんだよ。
しかも推定するに、あの角度でモザイクの向こうに見えるのは主演のダニエル・クレイグのドラゴン、もといデッカい一物である。
つまり、彼の一物を確認する、そんな「6日間限定&1館のみ」という貴重な映画体験が六本木で繰り広げられることになるのである。
しかし、おそらくではあるが、原作込みでこの作品の熱狂的ファン、あるいはダニエル・クレイグの熱狂的なファン以外の観客は、もう一度観に行こうとは思わないだろう。
あの日あの場所で得るはずだったまっさらな映画体験は永遠に失われたままなのである。