いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

「目的のためなら手段を選ばない」学生を集める就活システム

就活生の約半数はiPhoneを利用、Xperiaは4%---日経HR調査


日経HRは2011年1月5日、「都内の大学・大学院生の就職活動」に関する調査結果を発表した。この調査では、就職活動中の学生が使用する携帯電話端末についても集計している。その結果、全体の47.1%の学生がiPhoneを活用していることが分かった。

(以下略)


就活生の約半数はiPhoneを利用、Xperiaは4%---日経HR調査 | 日経 xTECH(クロステック)


インターネットという調査方法と654人という母数からして、この調査そのものはそれほど信頼のおけるものではない。
それよりも僕は、こちらが気になった。

昨今の就職難による就活生同士の競争激化もあり「授業中でもこっそり予約しないと説明会の予約が取れない」(日経HR)という事情もあるという。また、一部の大学ではスマートフォンの携行を推奨している場合もあるとした。


同上

こういうことは僕が就活していたときもよくあった。
いくら形骸化した建前であろうと学生の本分は学業である。そんな学業を阻害してまで就職活動を行わせるというのは、企業としてどうなのだろうか。だいたい在学中に就活試験に駆けずり回らなければならない日本の就活の「常識」は、なにも万国共通ではない。せめてウェブ募集を土日祝日に開始するだとか、平日でも授業の行われていないような時間帯に開始するなど、創意工夫のしようはいくらでもあるのではないだろうか。
それに、学生に「授業中でもこっそり予約しないと」ならないような手段で募集をかけるということは、採用試験にやってくる人材にあるフィルターをかけているということさえいえるのだ。





人柄というのは、発する言葉よりも日ごろの行いに現れると僕は考えている。
いくら就活試験の適性検査での「目的のためなら手段を選ばない」という問いに「そうは思わない」を選択したとしても、講義中にiPhoneで就活ページをチェックするという「目的のためなら手段を選ばない」学生はきっと、会社内で窮状に陥ったときにもやはり「目的のためなら手段を選ばない」人材なのだ。


すべてのiPhone就活生が「目的のためなら手段を選ばない」学生であるといいたいわけではない。
しかし、熾烈なイス取りゲームに生き残りやっとのことで予約にこぎ着けた彼らである。「目的のためなら手段を選ばない」学生が、相対的に多く集まることは容易に想像つく。
このように、昨今の就活は本試験が始まる前から「目的のためなら手段を選ばない」人材が集まりやすくなるようフィルターがかかっているのだ。





では、こうした日時を問わずイス取りゲームを就活生にしかける企業の側は、「目的のためなら手段を選ばない」人材が欲しいのだろうか。
もちろん企業の考え方はそれぞれであるし、「目的のためなら手段を選ばない」人材は、「目的のためなら手段を選べない」状況下では重宝されるのかもしれない。
しかしそれは、昨今のコンプライアンス法令遵守)が叫ばれる企業社会の風潮と逆行しているように見える。


どうもこちらでも、発する言葉よりも日ごろの行いのほうに本音が宿っているように見えるのは、僕だけだろうか?