いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

クレタ島的な・・・

もしあなたに今、彼氏がいたとしよう。
その彼氏の身にある日、なにか経済的、社会的な災いが降りかかり、このままではそのうちあなた自身にも火の粉が降りかかってくるかもしれない。
そんなとき、あなたの身を案じた心ある彼がこう言ってきたとする。
「君にこれ以上迷惑をかけたくない。だから別れてほしい」


もしこの文言を恋人から聞いたとき、あなたは別れた方がいいだろう。
状況は二通り考えられる。
まずあなた自身、別れたいと思っていたとき。
そのときはまさに願ったり叶ったり。渡りに船とはこのことだ。
係りの指示に従って出口の方へお進みください。


では、もしあなたが別れたいと思っていなかったとき。そんなこと絶対に嫌だと思ったとき。
残念ながら、それでもあなたは恋人と別れた方がいいだろう。
なぜなら、「そんなちっぽけな問題」を前にチキって別れを切り出すような相手なら、どちらにしろくなことはないからだ。
これからの時代、大多数の人はふつうに生きていても不幸になる。
おおきな博打などに目もくれずトボトボ清貧に安全運転を続けたとしても、状況は悪化はしても好転することはまずない。
そうなると、「そんなちっぽけな問題」で別れを切り出すなら、その次の「そこそこの問題」でも別れをふたたび切り出してくることはまちがいない。


経験上言えるが、恋愛において「別れるかどうか」という話題は、それ自体不健康なものだ。
たとえそこで踏みとどまれたとしても、必ず「別れを切り出した/された経験」として残る。
これは脱臼みたいなものだ。
一度やってしまうと、癖のように何度でも繰り返してしまう可能性がある。
そして実際に繰り返されるとどうなるか。
こんなしんどい関係はもうたくさんだと、いつかは本当の別れが来ることは目に見えている。


いやいや、それは彼が相手、つまりあなたのことを思って言っているのだという考え方もあるだろうが、それは詭弁に過ぎない。
なぜなら、彼の彼女ということはあなたは彼氏にとって「土台」なのである。
「そこそこの問題」も「こりゃちょっとヤバいんじゃないかという問題」も「あとはまかせた俺は逃げるという問題」も、その土台を前にしては所詮、みな「ちっぽけな問題」にすぎないはずなのだ。
だがそこでひるみ、「別れてくれ」が口を出るということは、彼とあなたは「そこまでの間柄」であったということだ。
そして、そこで口をついて出る「君にこれ以上を迷惑かけたくない」という「親切心」は、「お前にもこれ以上の迷惑はかけられたくなかった」という気持ちと表裏をなしている。


超法規的措置」を、一つだけ教えよう。
それはあなたがブチ切れるという手段だ。
もう「別れる」なんて二度と口にするな。
あなたと私はそこまで脆弱じゃない。
「別れるといったら別れるぞ」とすごむこと、それ以外にはないだろう。
望み薄ではあるけれども。