いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座、直毛によるブログ。今ここに、ポスト宮根誠司を目指すことを誓います。

映画

あまりに悲しい『ジョーカー』が描く「笑い」の排他性と均一性

www.instagram.com あまりにも理不尽な目にあい、怒りに震えたとき、悲しみにくれたとき、ふと一瞬我に返る。自分がこれだけ激情の嵐に飲み込まれているにも関わらず、外界はいたって平穏だ。これは、自分が狂っているのか? 社会が狂っているのか? いや、…

ブラピがカッコよすぎ! 『ワンハリ』160分を余裕で耐え抜ける圧倒的な魅力

◾️ 「シャロン・テート事件」だけの160分ではない クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が公開されてほぼ3週間が経つ。 1969年のハリウッドを舞台とする本作では、実際に起きた「シャロン・テート事件…

【映画評】黒い天使は善悪の彼岸で軽やかに…実在した美しすぎるシリアルキラーを描く『永遠に僕のもの』

何年か前に、アメリカで「イケメンすぎる凶悪犯」というのが話題になった。その顔を見たことがあるが、なるほど確かにイケメンである。このように美という主観と善悪の価値観は、残酷なまでにすれ違ってでも存在し得る。本作『永遠に僕のもの』は、かつて10…

【映画評】これは恐ろしい「のび太とジャイアン」の共依存、イタリア発の怪作『ドッグマン』

なぜかこの人には頭が上がらない。なぜかこの人には上手に出れてしまうという「主従関係」は、誰しもあるだろう。イタリアの映画『ドッグマン』は、その主従関係が行った先にある取り返しのつかない凶行を描く。 物語は冒頭、牙を剥く猛犬を、ある男が手なづ…

【映画評】『二ノ国』は本当に“クソ映画”なのか

公開早々に「『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』より酷い!」というなかなか強烈な評が出回ってしまったが、公開前にムビチケを買ってしまっていたので、仕方なく観に行って来た。 以下、あくまでもゲーム版未経験のぼくによる感想。 ヒロインの永野芽郁…

「007に黒人女優」をめぐるいくつかの“誤解”

来年公開予定の『007』シリーズ最新作『Bond 25(仮題)』で、コードネーム・007のエージェントをイギリス出身の黒人女優ラシャーナ・リンチが演じる、と報じられて物議を醸している。まだ正式なリリースではなく噂レベルでしかないが、日本ではそれでも衝撃…

【土日これ観ろ】『スノー・ロワイヤル』“いつものリーアム・ニーソン”だと騙されるな! この映画、どこかが変だ

我が家には「除雪車が出てくる映画はだいたい名作」という家訓があるが、今回もその正しさが証明された。今回オススメしたいのは、現在公開中のリーアム・ニーソン最新作『スノー・ロワイヤル』だ。 この映画、どこかが変だ 話はいきなり飛ぶのだが、ジャウ…

山ちゃん結婚で手のひらを返した人たちに捧げる映画『ビッグショット・ダディ』

ビッグショット・ダディ メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る もう1週間が経とうとしているが、南海キャンディーズ山里と女優の蒼井優が結婚したことは衝撃的だった。 SNS上が驚きと祝福コメントであふれかえったが、その一部に違和感を覚える…

1800円のガチャ…映画館の“クソ客”という大問題

行きつけのとんかつ屋さんなら特上ロース定食が1回注文できる。大好きな松屋のネギ塩豚丼ならば3回頼んでおつりがくる。Netflixなら2ヵ月分映画・ドラマが見放題だ。 ぼくにとって、映画館で1作観るために支払う「1800円」はそういう金額である。4DXなら3000…

【滑り込み】オレ的シネマランキング平成30・31年版【セーフ】

ひっそりとサボっておりました毎年恒例映画ランキング。もはや遅すぎるということで今回は平成30〜31年ランキングとして発表します。 去年は劇場で90本、今年は4月末までで23本観ました。特に昨年は、一昨年が64本だったのでずいぶん増えましたが、これは上…

映画版『奥田民生になりたいボーイ(以下略)』を観て自分の中の「奥田民生になりたいボーイ」が愛おしくなった話

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール DVD 通常版 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2018/03/14 メディア: DVD この商品を含むブログ (5件) を見る 映画版の『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(実は原作には「と…

『クリード 炎の宿敵』 ベタでOK! 何度でも見返すべき『ロッキー』シリーズの大切な教え

www.instagram.com ロッキー・バルボアの盟友アポロの息子アドニス・クリードを主人公に迎えたボクシング映画第2弾、『クリード 炎の宿敵』。 念願の世界チャンピオンとなったアドニス(マイケル・B・ジョーダン)の前に、父アポロの宿敵イワン・ドラコ(ド…

塚本晋也監督『斬、』の主役が「刀」である理由

怖え…(観た後なので今もビビっている) www.youtube.com 11月公開なのにずっと観に行けていけてなかった塚本晋也監督の初の時代劇『斬、』、見てきた。凄まじかった。 クレジットは「池松壮亮」がトップに来て、間違いなく彼が演じる杢之進(もくのしん)が…

「世界をより良くするために仕方ないんだ!」 独善的な悪役って最高だよね

独善的な悪役って良いですよね。 世界を制服したるんや! とか、人類を破滅させたるんや! とか、人の迷惑を目的とする単純なバカより、「世界をより良くするために仕方ないんだ!」と悪を断交する悪役は、観ていて「お前はどこで間違ってしまったんや…!!」…

死んだ父と黒柳徹子の話

突然であるが、ぼくの目標とする人物は黒柳徹子である。最近決まった。 なぜかというのを説明する前に、父について語らなければならない。 先週の13日で父が死んで18年になる。 18年も経っているので特にこれといった感慨はなく、今回も例年のごとく母のLINE…

『いぬやしき』、超大作ラッシュでやや空気だけどめっちゃいいぞ

木梨憲武、佐藤健主演のSF映画『いぬやしき』を観た。 www.youtube.com iincho.hatenablog.com 原作1巻のレビューはこちら↑ 原作マンガのときから、いい意味で実写化への色気を感じたのだけど、まさか犬屋敷、温水さんでも笹野さんでもなく、ノリさんで来る…

【映画評】悪堕ちする綾野剛が悲しくてセクシー「日本で一番悪い奴ら」

www.youtube.com 日本で一番悪い奴ら 発売日: 2017/01/19 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログ (1件) を見る 白くて汚れのないものほど、肥だめに突き落としてみたくなるのは、ぼくだけの倒錯した性癖だろうか? 「凶悪」の白石和彌監督による「日…

【映画評】「リメンバー・ミー」、めちゃくちゃ怖い映画だった

www.youtube.com ディズニー・ピクサー最新作の「リメンバー・ミー」は、ラテンアメリカの「死者の日」の風習を題材にしたファンタジー映画である。 靴職人の家系に生まれた少年ミゲルには、音楽に対する並々ならぬ情熱があった。 ところが、彼の家族には音…

【映画評】殺された兵士はどうやって親元に戻る? 映画「テイキング・チャンス」はもっと観られるべき

www.youtube.com www.amazon.co.jp 「お、ケビン・ベーコンが出てんじゃん。80分弱か、ちょうどいい時間だな」みたいな軽い気持ちで開いたAmazonプライムビデオでしたが、この映画を観るにはちょっと迂闊すぎました。 本作は記事のタイトル通り、戦地で殺さ…

【映画評】小さくなったって人生の辛みは変わらない!「ダウンサイズ」

www.youtube.com 映画『ダウンサイズ』公式サイトより。 アレクサンダー・ペイン監督の最新作「ダウンサイズ」は、人間を十数センチ台に小さくする「ダウンサイジング」が可能になった未来を舞台にしたサイエンスフィクションだ。 北欧で「ダウンサイジング…

【映画評】戦争映画なのに主人公は壁に張り付いてしゃべりっぱなし「ザ・ウォール」

www.youtube.com ときはイラク戦争の末期、アメリカ軍のスナイパーのアイザックは、応援要請を受けて砂漠地帯にある石油パイプライン建設現場に同僚のマシューズと駆け付けた。 ところが、現場には複数の不自然な状態の死体が転がるのみ。 そのとき、風を切…

【映画評】「運命」はある日突然やってくる 「15時17分、パリ行き」

www.youtube.com 公式tumblerより。 クリント・イーストウッド監督の最新作「15時17分、パリ行き」は、2015年にアムステルダム発パリ行きの列車の中で起きた無差別テロを題材にした一作です。「硫黄島の手紙」以降、特に実話ものが多くなったイーストウッド…

【映画評】リアルな政治状況をエンタテイメントに昇華した快作「コンフィデンシャル/共助」

公式サイトより。いやはや、こんなタイミングですごい映画が公開されたものだ。本作は、北朝鮮の刑事と韓国の刑事がタッグを組んで繰り広げるド派手なバディムービーだ。 もちろんこれまでにも、現実の複雑な朝鮮半島情勢を背景にした映画は数あったが、本作…

【映画評】今、全力の自己肯定が必要なあなたへ 「グレイテスト・ショーマン」

ヒュー・ジャックマンが伝説的なサーカスの興行師、P・T・バーナムに扮する映画「グレイテスト・ショーマン」は、観る者が自身の人生を全肯定されるかのような解放感と高揚に満ちた映画です。ミュージカルなので当然ですが、なんといっても楽曲がイイ。音楽…

【映画評】戦争をめぐる皮肉めいた寓話「ロープ/戦場の生命線」

ベニチオ・デル・トロ、ティム・ロビンスらが出演する「ロープ/戦場の生命線」は、ドライなユーモアにあふれる反戦映画です。舞台は95年のバルカン半島のある国。国連の管理下において紛争はかろうじて停戦中ですが、まだ周囲には地雷が埋まっている予断を…

【映画評】そこにいるのに“いない”夫とともに…夫婦なら身につまされる「ロング、ロングバケーション」

公式サイトより。ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドが夫婦を演じる映画「ロング・ロングバケーション」は、老夫婦が繰り出す破天荒なロードムービーです。ある日ウィルが訪れた実家に、結婚50年を数える母親エラと父親ジョンがいない。ガレージにある…

【映画評】倒錯したお姫様願望の哀歌「勝手にふるえてろ」

映画公式サイトより 喪女24歳、倒錯したお姫様願望 勝手にふるえてろ (文春文庫)作者: 綿矢りさ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/08/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (38件) を見る 綿矢りさの同名小説の映画化「勝手に…

オレ版2017年シネマランキング

今年は劇場で64本観ました。例年に比べて減ったのは、だいぶAmazonプライムに浮気してしまったからでしょうか。それでは行ってみましょう、2017年のベストテン! 【過去4年のランキング】 2012年シネマランキング2013年シネマランキング2014年シネマランキン…

【映画評】フラットライナーズ

人が生きるか死ぬかの境にいるときに訪れる臨死体験。その臨死体験を、もしも人工的に起こせたら…。エレン・ペイジが演じる野心的な医学生と、彼女に集められた同級生らが、その禁断の実験にのめりこんでいきます。彼らはこの恐ろしい実験を見事成功させる。…

【映画評】スター・ウォーズ/最後のジェダイ

「スター・ウォーズ」正史の第8弾「最後のジェダイ」、公開2日目に観てきました。前作において地図を完成させついに伝説のジェダイ、ルークにたどり着いた少女レイ。最高にアガるシーンで幕を閉じた前作でしたが、本作はもちろん、レイとルークの交流、そし…