いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座、直毛によるブログ。今ここに、ポスト宮根誠司を目指すことを誓います。

映画

驚がくの全編ワンカット『1917』劇場で“従軍”すべき理由

www.youtube.com サム・メンデスの『1917 命をかけた伝令』を公開初日に観てきた。第一次大戦中、味方の兵士1600人の命を救うため、伝令に飛び出した若いイギリス軍兵士2人を描いた戦争映画だ。 すでに知れ渡っているとおり、本作は全編ざっと2時間あまりを…

自分の中の「ドキュメンタリー観」のうかつさを恥じ入ってしまう映画『さよならテレビ』の衝撃

観たのは渋谷・ユーロスペースだったが、観終わったあと、劇場の明かりがついてもしばらく座ったまま考え込んでしまった。誰かと話したいことが山ほど出てくる。いい映画を観終わったあとに襲われる感覚だ。 本作『さよならテレビ』は、2018年に制作された東…

“史上最強”ジェニファー・ロペスが股間も心も直撃! 映画『ハスラーズ』がマブすぎる

www.youtube.com ジェニファー・ロペス史上最強のジェニファー・ロペス ジェニファー・ロペスといえば、90年代後半から2000年代まで「エロくて強え女」の人類代表みたいなところがあるのだが、個人的にはここ十数年ほど鳴りを潜めていた印象は否定できない。…

まるでドキュメンタリーの緊張感 “異端であり正統”な震災映画『風の電話』

東日本大震災からもうすぐ9年が経とうとしているが、先週公開された『風の電話』は、異色の「震災映画」だ。 3.11で家族を失った女子高生・ハルが、叔母と暮らす広島・呉から、故郷の岩手・大槌までをヒッチハイクして帰るロードムービーである。道中でさま…

「大人の不在」を通じて『ギャングース』が描く日本の残酷な真実

ギャングース 発売日: 2019/06/05 メディア: Prime Video 一昨年、見そびれて一番後悔していた映画『ギャングース』。『サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督作だが、先週末、アマゾンプライム・ビデオで100円レンタルとなっていたの目ざとく見つけ、つ…

除夜の鐘より100倍迷惑! 映画館でポップコーンを“抽選”する人々

映画館でポップコーンを“抽選”中の人 除夜の鐘が周辺住民のクレームによって取りやめになっているというニュースが、ここ数年は毎年のように年末のSNS上で物議を醸している。個人的には、除夜の鐘なんて「年末感を高めるためのSE」みたいなもんだし、今の家…

【今年もこの季節】2019年度いいんちょ映画祭ベスト10(+ちょっとしたおまけ)

毎年恒例のシネマランキング。今年からは「いいんちょ映画祭」と改称して開催したい。 というのも理由は簡単である。順位付けの徒労感が凄まじいのだ。 ぶっちゃけ、10位と9位、8位のちがい、なによ? という話である。 そんな順位、昨日選んでいたら変わっ…

素敵なファン感謝祭 『男はつらいよ おかえり、寅さん』

シリーズ50周年を飾り、23年ぶりに製作された『男はつらいよ おかえり 寅さん』は、旧来のファンが同窓会のようなムードが漂う、素敵な感謝祭となっている。 今よりはるか以前、本作の企画を聞いたとき、たしか、現実に思い悩む満男(吉岡秀隆)が、長い間帰…

映画『家族を想うとき』が描く「自由な働き方」の欺瞞

ケン・ローチ監督については前作『わたしは、ダニエル・ブレイク』が、かなり精神的にまいるような内容でオススメだ。今作も身構えて観に行ったが、期待通りというのか予想通りというのか、かなりヘビーな一作であった。 わたしは、ダニエル・ブレイク (字幕…

名作『クレイマー、クレイマー』34歳の俺に刺さった意外なシーン

個人的トラウマ映画『クレイマー、クレイマー』 ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープが夫婦役で共演した『クレイマー、クレイマー』という映画がある。いや、元夫婦と書くのが正しいか。 働きづめの夫テッド(ダスティン)が、子育てなど家のことを任…

「ステマ」がなぜ許されないかが分かる映画『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』

「PR」をつけずにファイア・フェスティバルを告知するセレブのインスタ一例 ディズニー映画『アナと雪の女王2』をめぐり、複数の漫画家がSNS上に感想の漫画(主に褒めている)を同時間帯に一斉に投稿し、「これはありのままじゃないんじゃないか?」と、ここ…

上映中にスマホ開くなバカ! 「画面見なくても分かる」映画なんてねえからな

昨日、スマホで見ながら思わず「アホか!」と、声を上げてしまったニュースがあった。 www.moneypost.jp 「なぜかと聞かれると『なんとなくスマホが気になるから』というのが正直なところですね……。映画って2時間じっとしているのが結構耐えられない。そんな…

嗚呼、わが青春の再生メディア! 映画『VHSテープを巻き戻せ!』と思い出話

「巻き戻し」という言葉が、若者に通じないという話題がしばしば浮上する。今や完全に「旧メディア」の烙印を押されてしまい、ぼくも引っ越しの際についにデッキを処分してしまったVHSだが、未だに根強いファンが存在する。 本作『VHSテープを巻き戻せ!』は…

『ターミネーター:ニュー・フェイト』過去作を犠牲にしてでも作られるべきだった理由

『ターミネーター:ニュー・フェイト』。言わずと知れた超大作シリーズの続編で、今回、宣伝でも「正当な続編」と銘打たれたように、主役ではないものの、アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトンが再登場するのが目玉の一つだ。 めちゃくちゃ…

悪女・桃井かおり大暴れ! 映画『疑惑』が“胸糞悪いけど爽快”な理由

おもしろいサスペンス映画を募るまとめサイトで出会った本作『疑惑』。偶然アマゾンプライム・ビデオに入っているので観たが、当たりだった。 桃井かおりが演じる、性悪なホステス球磨子が大暴れする映画だ。 球磨子は、富山のお人好しなお金持ちの再婚相手…

父子の終わりなき薬物依存との戦いを描く『ビューティフル・ボーイ』の壮絶

ビューティフル・ボーイ (字幕版) 発売日: 2019/08/14 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る マーシーこと田代まさしがまたも逮捕された。しみけんとこの人は本当にもう…という感じだが、SNS上にも「信じていたのに…」「またか…」という失望や…

イマジネーションの暴力! 『ロボット2.0』は観た方がいいかもしれない

インド映画というと「ド派手な装飾にミュージカル!」というイメージで、近年では『バーフバリ』シリーズが日本でもヒットしたが、本作『ロボット2.0』は、ロボットが活躍するバリバリVFXのバリバリSFである。 しかし、「ああ、インド人がハリウッド映画パク…

『空の青さを知る人よ』は「いい映画」だけど僕にとって“他人事”だった

映画『空の青さを知る人よ』予告【10月11日(金)公開】 公開中の『空の青さを知る人よ』というアニメ映画を観た。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』で知られる製作陣=超平和バスターズによる最新映画である。 主人公は、秩父の山奥に暮らすベー…

あまりに悲しい『ジョーカー』が描く「笑い」の排他性と均一性

www.instagram.com あまりにも理不尽な目にあい、怒りに震えたとき、悲しみにくれたとき、ふと一瞬我に返る。自分がこれだけ激情の嵐に飲み込まれているにも関わらず、外界はいたって平穏だ。これは、自分が狂っているのか? 社会が狂っているのか? いや、…

ブラピがカッコよすぎ! 『ワンハリ』160分を余裕で耐え抜ける圧倒的な魅力

◾️ 「シャロン・テート事件」だけの160分ではない クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が公開されてほぼ3週間が経つ。 1969年のハリウッドを舞台とする本作では、実際に起きた「シャロン・テート事件…

【映画評】黒い天使は善悪の彼岸で軽やかに…実在した美しすぎるシリアルキラーを描く『永遠に僕のもの』

何年か前に、アメリカで「イケメンすぎる凶悪犯」というのが話題になった。その顔を見たことがあるが、なるほど確かにイケメンである。このように美という主観と善悪の価値観は、残酷なまでにすれ違ってでも存在し得る。本作『永遠に僕のもの』は、かつて10…

【映画評】これは恐ろしい「のび太とジャイアン」の共依存、イタリア発の怪作『ドッグマン』

なぜかこの人には頭が上がらない。なぜかこの人には上手に出れてしまうという「主従関係」は、誰しもあるだろう。イタリアの映画『ドッグマン』は、その主従関係が行った先にある取り返しのつかない凶行を描く。 物語は冒頭、牙を剥く猛犬を、ある男が手なづ…

【映画評】『二ノ国』は本当に“クソ映画”なのか

公開早々に「『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』より酷い!」というなかなか強烈な評が出回ってしまったが、公開前にムビチケを買ってしまっていたので、仕方なく観に行って来た。 以下、あくまでもゲーム版未経験のぼくによる感想。 ヒロインの永野芽郁…

「007に黒人女優」をめぐるいくつかの“誤解”

来年公開予定の『007』シリーズ最新作『Bond 25(仮題)』で、コードネーム・007のエージェントをイギリス出身の黒人女優ラシャーナ・リンチが演じる、と報じられて物議を醸している。まだ正式なリリースではなく噂レベルでしかないが、日本ではそれでも衝撃…

【土日これ観ろ】『スノー・ロワイヤル』“いつものリーアム・ニーソン”だと騙されるな! この映画、どこかが変だ

我が家には「除雪車が出てくる映画はだいたい名作」という家訓があるが、今回もその正しさが証明された。今回オススメしたいのは、現在公開中のリーアム・ニーソン最新作『スノー・ロワイヤル』だ。 この映画、どこかが変だ 話はいきなり飛ぶのだが、ジャウ…

山ちゃん結婚で手のひらを返した人たちに捧げる映画『ビッグショット・ダディ』

ビッグショット・ダディ メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る もう1週間が経とうとしているが、南海キャンディーズ山里と女優の蒼井優が結婚したことは衝撃的だった。 SNS上が驚きと祝福コメントであふれかえったが、その一部に違和感を覚える…

1800円のガチャ…映画館の“クソ客”という大問題

行きつけのとんかつ屋さんなら特上ロース定食が1回注文できる。大好きな松屋のネギ塩豚丼ならば3回頼んでおつりがくる。Netflixなら2ヵ月分映画・ドラマが見放題だ。 ぼくにとって、映画館で1作観るために支払う「1800円」はそういう金額である。4DXなら3000…

【滑り込み】オレ的シネマランキング平成30・31年版【セーフ】

ひっそりとサボっておりました毎年恒例映画ランキング。もはや遅すぎるということで今回は平成30〜31年ランキングとして発表します。 去年は劇場で90本、今年は4月末までで23本観ました。特に昨年は、一昨年が64本だったのでずいぶん増えましたが、これは上…

映画版『奥田民生になりたいボーイ(以下略)』を観て自分の中の「奥田民生になりたいボーイ」が愛おしくなった話

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール DVD 通常版 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2018/03/14 メディア: DVD この商品を含むブログ (5件) を見る 映画版の『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(実は原作には「と…

『クリード 炎の宿敵』 ベタでOK! 何度でも見返すべき『ロッキー』シリーズの大切な教え

www.instagram.com ロッキー・バルボアの盟友アポロの息子アドニス・クリードを主人公に迎えたボクシング映画第2弾、『クリード 炎の宿敵』。 念願の世界チャンピオンとなったアドニス(マイケル・B・ジョーダン)の前に、父アポロの宿敵イワン・ドラコ(ド…