いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

アート

『世界で一番ゴッホを描いた男』 “職人”を“芸術家”に変えた「アウラ」の正体

世界で一番ゴッホを描いた男(字幕版) チャオ・シャオヨン Amazon 本作は、中国の深圳市近郊の「大芬(ダーフェン)油画村」という、複製画が世界的な産業になっている地が舞台。世界中からのオファーを受けて、画工と呼ばれる職人たちが、世界の名画をせっせ…

「エルサに彼女を」は嫌煙学会と同じ

きょう、友達からこういう話があるのを教わりました。 (CNN) 米ウォルト・ディズニーのアニメ映画「アナと雪の女王」のファンの間で、「続編ではエルサにガールフレンドを」と訴える呼びかけがソーシャルメディアを通じて広まっている。きっかけは10…

東京国際映画祭の特別企画から漂う広告屋さんの選民意識

30周年を迎えた今年の東京国際映画祭が、特別企画を展開している。「すべての映画はこれより面白い!?」というテーマのもと、CM動画を一般公募するというのだ。応募期間は19日から29日の10日間。 http://cm.tiff-jp.net/ でも、このテーマ、なんか失礼ではな…

言わされている言葉 書かされている言葉

言っているようで言わされている、書いているようで書かされている言葉ってあると思う。 それは、自分の意思で使っているつもりが、その実は、誰かの受け売りであったり、どこかで聞いたことを無批判に使いまわしていたりするだけの言葉のことだ。 最近ぼく…

「境界のないセカイ」出版中止騒動――「悪いおじいさん」すら認めない講談社について

朝からTwitterでちょっと話題になっていた。 講談社から3月9日に発売予定だった幾屋大黒堂(いくや・だいこくどう)さんの漫画「境界のないセカイ」の単行本が発売中止となり、ウェブ上での連載も打ち切られることになった。幾屋さんのブログによると、性的…

なぜネット上では「皮肉」が流行らないのか

先週、『プロデューサーズ』という映画を観た。プロデューサーズ [Blu-ray]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント発売日: 2010/04/16メディア: Blu-ray購入: 1人 この商品を含むブログ (7件) を見る大ヒットしたブロードウェイミュージ…

お前が芸術だと思うんならそうなんだろう。お前の中ではな

今月のはじめ、著名な台湾人(これは自分でも謎のミス。本当はシンガポール出身)の写真家がわいせつ図画頒布容疑で逮捕された。ギャラリーで男性器の写った写真集を販売したためだ。この件で、彼と関わりを持っていたアーティストらが盛んに彼を擁護してい…

アーティストは「言葉」を残すために生きてるんじゃない

普段ぼくは、ブログで特定の人の批判をしたりはしない。ネガティブな長文を書くのも精神衛生上よくなさそうだし、気に食わない相手に時間を割く事自体がどこかバカバカしいと思えてしまう。それになにより、相手がネットで生計を立てている場合、批判記事を…

オワタのはJPOPではなく……

さっきこういうスレを見た。http://katuru2ch.blog12.fc2.com/blog-entry-4186.html毎年この結果を眺めて「JPOPオワタ」を唱えることが恒例行事になりつつあるけど、今年はついに20位圏内のバンドがミスチルだけになってしまった。た、退屈なヒットチャー…

文化系のノーベル賞って、いるか?

今年のノーベル文学賞が発表され、中国の莫言という作家が受賞した。化学賞の山中伸弥京大教授に続き、日本では村上春樹の受賞に期待が集まったが、毎年恒例のノーベル詐欺にひっかかりやれやれ。ところでぼくは、以前からノーベル賞の文化系部門、とくに文…

作品と批評の親子関係に口を出すな

インターネットの普及で、誰でも情報を発信できる時代になった。視たテレビ、観た映画、聴いた音楽について、誰でも感想や批評を加え、さらにそれを公にできる時代になった。 「誰でも情報を発信できる」ということはつまり、作品の作り手側も批評に対して反…

サイバースペースで「断筆する」ことは可能か?

読んでいる本の中に「筆を折る」という表現が出てきて、懐かしい表現だと思った。 筆を折る、もしくは断筆という言葉がある。 厳密には同じではないけれど、ほとんど同じ用法で使われている。有名なものでは、作家の筒井康隆の例がある。 1993年(平成5年)…

“あの時代”なら「あなたが百貨店にそぐわないのです」と言い返せていたのかもしれない

今月6日まで、東京・渋谷区の西武渋谷店にある美術画廊で開催される予定だった作品展「SHIBU Culture〜デパート de サブカル〜」が1日、開催中に突然中止された。 展示作品に過激な内容のものが含まれていれば、当然ながらイデオロギー的、政…

なぜ小説家の“彼”がそれに加担するのか?

先月の都議会に修正された『東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案』、通称非実在青少年規制の法案が再び提出されたとあって、その界隈が再び湧き上がっている。 僕がこの件にまつわることで何よりも解せないのは、やはり、“彼”が小説家であるというこ…

友達に「面白いと言って貸したギャグ漫画が無表情で読まれる」ことがなぜ恐怖なのか?

部屋に来た友達に、面白いと言って貸したギャグ漫画が無表情で読まれている恐怖 http://blog.livedoor.jp/himasoku123/archives/51469664.html 少し前のまとめサイト記事。 はてブはあまり集めていないけれど、わかる人にはわかるという内容ではないだろうか…

なぜ「現在」は常に不感症か?

つい先日、社会調査もかねて某千葉の某ディズニーリゾートにて、某マイケル・ジャクソンが主演して、現在復活中の某キャプテンEOなるアトラクションに乗ってきた。 こちとら、彼が死のうが死後にドキュメンタリ映画がどれだけ流行ろうが、どうもピンと来なく…

無害ゆえに無敵、でも不快!な「やれやれ」的現代の主体

ここ最近、サッカー日本代表が勝てば話の種でもしぼり取ろうかと選手の親にまで追い込みをかけたり、デブはこの世の悪だと言わんばかりに相撲協会を叩きまったりするマスコミ。持ち上げるやつは一斉に持ち上げて、たたきのめすやつは一斉にたたきのめすよう…

人はいつ「終わる」のか

最近、ある本の中である意味すごく「怖い」箇所を読んだ。それは、西武百貨店の元経営者でパルコやセゾングループも創設した辻井喬(=堤清二)と、社会学者でフェミニストの上野千鶴子の対談本、『ポスト消費社会のゆくえ』にてだ。 それは今では考えられな…

クリエイターだって「ファンのツボ」だけ圧しつづけてはいられないっ!

最近ドラマ「古畑任三郎」のシリーズを見かえしている。いや、見返しているというのは不適切で、机に向かって書き物をしながらBGMとして録画した古畑を「聴く」のである。子どもの頃からこの番組をテープがすり切れるほど見たおしたぼくは、情景を瞳に映さず…

バラエティ番組がのこす最後のフロンティア〜きらっといきるの偉大なる冒険〜

教育テレビで毎週金曜日に放送している『きらっといきる』。障害者の活動をとりあげているこの番組の先々週の放送では新企画(? 番組内の一企画なのか、本編とは別のスピンオフというあつかいなのかはまだよくわからない)がスタートしていた。それを先週の…

剥き出しのセンスについて

先週知人の女の子(ここでは彼女の名前の頭文字をとってCちゃんとしておこう)からおもしろい話を聞いた。 その子はSEとして、日々あくせくと労働に勤しんでいる(ん?おまえもさっさと働け??)。そんな彼女の会社は最近、あるソフトウェアの完成を間近に…

嗤う「わが家の歴史」と「フォレスト・ガンプ」

先週の金曜から日曜にかけて三夜連続で放映された、フジテレビ50周年記念ドラマ『わが家の歴史』。 どうも最近半年にいっぺんくらいどこかのテレビ局が開局記念を祝っているような錯覚を僕は覚えていて、それくらいに各局自分で自分の誕生日を盛んに祝う風…

そこで「腐女子ざまぁwww」と言ってちゃマズいだろ

大阪府では、18歳未満の青少年を性的対象として扱う図書類等の状況についてまず、実態把握を行います。把握した実態を検証・分析し、「大阪府青少年健全育成条例」での規制の必要性等を検討します。 (中略) ■大阪府青少年健全育成条例の現状 ○青少年の性的…

「反規制」の他にもまだやるべきことが残っているんじゃないだろうか

東京都が提出した「青少年の健全な育成に関する条例」の改正案について、ここ数日ネット上でも議論が慌ただしくなっている。何がエロいか、猥褻かというのは客観的な線が引けるわけではなく、それはあくまで恣意的なのだけれど、恣意的であるがゆえに「ここ…

どんなに持ち上げても作品を殺すことに荷担する批評

後悔した。やはり醜い。スノッブとはこいつのことを言う。何が醜いかというと、モテキの作者がただ見栄えをよくするためだけに楽曲タイトルを引用する態度とその引用元がわかることに喜んでしまうという読者との共存関係だ。(・・・) この引用は作品のクオ…

昨夜のノンフィックス

昨夜、といってもすでに日にちは変わっていたのだが、たまたまチャンネルを合わせていたフジテレビに、現代芸術家の大竹伸朗が出てきた。この人、一年前くらいにアエラの表紙を飾り、恥ずかしながらも僕自身はそのときその存在を知った。さま〜ず大竹にちょ…

現代音楽に対峙する気まずさと場違いな思い

先日季節の歯車がまた回り始めただとかなんだとうそぶいて風流や雅の分かる人間を気取っていた者ですが、存外すぐには涼しくならないもんですね(毎年のことか)。だれが考えたんだか「残暑」という巧い言葉がありますが、一度は去った振りしてまだ向こうの…

「サブカル」がおかしなことになっとる

大学院の授業にて。その日はある女の子の発表だったのだが、そこでその子がマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの受容史のようなものを披露した。発表が終わり、聴いてた院生の側からつっこみを入れる段になって(その授業は各々が発表して相互につっこ…

さぁ!俺の代わりに愉しんでくれっ!!

ネットを巡回していると、興味深い「噂」を目にした。 約16年ぶりにあるロックバンドが復活した。そのロックバンドのライブDVDが先日発売されたのだが、ある通販サイトの書き込みに面白いことが書かれてあったのだ。その書き込みによれば、そのライブの客席…

いいたいことはわからんでもないが…

ぼくはお笑いが好きだし、ラーメンが好きだ。基本的に、それらの全部が好きだ。あのころみたいに、何も考えずに、ただゲラゲラズルズルとその快楽に身を任せられる日がきてほしい。普通に美味いラーメンを食べながら、普通に美味いと言えないぼくは、そんな…